腸内フローラIntestinal flora

腸内フローラとは

腸内細菌は、腸内に住み着いた大量の常在菌で、大腸には特にさまざまな細菌が生息しています。腸内細菌は約1000種約100兆個も存在し、重さにすると約1.5kgもあります.多くの種類の細菌は秩序を保ちテリトリーを持ちながら集団を作っていることから、その住み着いている様子を花畑(flora)に例えて腸内フローラと言われています。。 腸内フローラは構成している細菌の種類や数などに大きな個人差があります。そして、腸内フローラの最適なバランスも、それぞれの方で異なります。

腸内フローラの検査

当院では、少量の便採取によって可能な、「Mykinso Pro」という腸内フローラ検査を行っています。この検査では大腸に生息している腸内細菌の状態を調べることができます。

Step1説明

検査方法、検査でわかること、患者さんの治療や予防に役立つ有効な結果の活用などについて、わかりやすくご説明します。

Step2問診票・同意書記入

検査のためにご記入いただきます。また、今後の腸内細菌研究に結果を役立てるためにもご記入が役立ちます。

Step3採便

ご自宅で便を採取します。採取方法はわかりやすく解説されていますので、その手順通りに行ってください。

Step4検査キット返送

採取した便が入った検査キット、ご記入された問診票・同意書を、検査機関に郵送します。

Step5検査結果のご説明

検査機関に検査キットが到着してから約6週間後に、分析した検査レポートが当院へ送られてきます。その結果をお伝えして、ご相談しながら今後の診療や生活習慣の見直しに役立てていきます。

腸内フローラ検査を行うメリット

腸内細菌の現在の状態を知ることで、バランスを判断でき、有効な治療や体調改善に役立つ栄養素や菌などを判断できます。また、何回か検査を受けてデータを比較し、検査時点の体調や生活と照らし合わせることで、最適な腸内細菌バランスを保つことが容易になります。 腸内細菌のバランスは、ちょっとしたことで大きく変わります。腹痛や下痢・便秘といった日常的な症状、抗生物質などの投与、食事内容、ストレスなどバランスを変える要因は多岐に渡ります。 また、肥満、大腸がんや潰瘍性大腸炎・クローン病といった大腸疾患、肝臓がん、糖尿病・アレルギー・うつ・リウマチ・認知症など、消化管以外の幅広い疾患も腸内フローラの影響を大きく受けると考えられています。腸内細菌とうまく付き合っていくために、まずは現在のご自分の腸内細菌のバランスを確かめることが有効です。

当院の「Mykinso Pro」腸内フローラ検査でわかること

腸内フローラの組成(門レベル)

バクテロイデーテス門、ファーミキューテス門、アクチノバクテリア門、プロテオバクテリア門、フソバクテリア門などの組成がわかります。その組成情報から、健康に強いと考えられる項目と、ダイエット・美容に関連するとされる項目をチェックします。

多様性指標

保有菌の種類数、均等度、最優勢菌の占有率、バクテロイデーテス門の種類数を用いて多様性を表示します。

短鎖脂肪酸指標

ビフィズス菌、乳酸産生菌、酪酸産生菌について表示します。短鎖脂肪酸とは酪酸、プロピオン酸、酢酸などの脂肪酸のことで、悪玉菌を抑える殺菌・静菌作用や、腸管免疫を高める作用、腸蠕動を促進する作用など、さまざまな体に良い働きをします。水様性食物繊維やオリゴ糖を餌にして腸内細菌によって作られますが、主にビフィズス菌、乳酸菌、酪酸菌が重要な役割を担っています。

腸管免疫指標

腸管免疫によい働きをするクロストリジウム属、アリスティぺス属、フィーカリバクテリウム属について表示します。クロストリジウム属は免疫抑制に必要な制御性T細胞の産生を促し、腸炎やアレルギー反応を起こりにくくする働きがあります。アリスティペス属は過敏性腸症候群で少ないことが知られています。フィーカリバクテリウム属は酪酸菌のひとつで、免疫バランスの調整やインスリン抵抗性を改善し血糖値を下げる可能性が示されています。長生きしている方に多く存在すると言われています。

口腔常在菌指標

口腔常在菌は虫歯や歯周病だけでなく、大腸がんや炎症性腸疾患など全身の病気との関連が言われています。口腔常在菌の中のストレプトコッカス属やガンマプロテオバクリア網の種類数、および口腔常在菌群の占有率を表示します。

ダイエット・美容に関する項目

  • 太りやすさ
  • 高食物繊維・高タンパク質食(高FP食)ダイエットとの相性
  • 痩せ体質の人に多いアッカーマンシア属の有無
  • 太り気味の人に少ないクリステンセネラ属の有無
  • 更年期障害予防・改善、肌のしわ予防・改善させるエクオールの産生菌の有無
  • 便通をよくするバチルス属の有無

バランスの良い腸内フローラのために

腸内フローラは食事をはじめとした生活習慣に大きな影響を受けます。当院では、検査結果を基に腸内フローラの状態改善につながる食事などについて、具体的でわかりやすいアドバイスを行っています。

腸内フローラ検査費用

この検査は健康保険が適用されないため、全額を自己負担する自費診療です。 検査の内容や手順などについてご質問がありましたら、スタッフにご質問ください。

「Mykinso Pro」腸内フローラ検査
全額自己負担・診察料含む 25,000円(税別)